史跡

赤羽根峠の妻神(さいのかみ)

赤羽根峠の頂上は、藩政時代には南部藩と伊達藩の境界で、印(しるし)の石塚と木の柱が建ち古文書には「赤羽根妻神」と記されている。妻神は本来塞の神で、古来より村境や道の分岐点で悪霊や邪鬼の侵入を防ぐという信仰があり、同時に道や旅人の安全を守る神でもあっ。たまた性器崇拝とも習合して良縁を得るとか子授け、安産、性病治癒などにもご利益が多いともいわれるようになった。大昔に人びとが集まって、社会生活を営むようになった始めから共同体の安全を確保する目的で信仰されてきたものであろう。平泉を逃れた義経主従一行が、この道を通って遠野に入ったという。