史跡
馬頭観世音(ばとうかんぜおん)碑
赤羽根峠の中程の東寄りに、文久四年銘の馬頭観世音塔が一基祀られている。ここには清洌な清水もあり、峠を行き交う人馬の休み場であったが、駄賃づけの馬がこの辺りに来ると、逃げ返ったり怪我をすることが多いので、それは慶長六年(一六〇一)九月の合戦で亡くなった人馬の祟りであろうということで、鎮魂のためにこの場所に馬頭観世音塔を建立したという。馬頭観世音は、聖・千手・準提・如意輪・十一面観音と共に六観音に数えられ、衆生を六道の苦から救う功徳があると説かれている。その名の由来は、馬の如く大きなロを開いて衆生を救い、馬が草を喰(くら)う如くに余念がなく、迅速に衆生を救うといわれ、像の姿は頭上に馬の頭を載せている。