中山家のオシラサマ
細越の旧家中山悦郎家は古くからの修験の家系で観月院といわれていた。大きな祭壇をしつらえた座敷には、不動明王の木像をはじめ、七体のオシラ様と二体のオクナイ様が祀られている。オシラ様祭りは毎年、正月十六日に行なわれ、一枚つつ着せ付けられるオセンダクのためだいぶ着ぶくれしている。いずれも桑の木で作られた貫頭(かんとう)型で、馬頭一体・姫頭三体・円頭三体であるが、うち二体の芯木には「慶安二年(一六四九)霜月一日」・「南部大学院十六善神」とそれぞれ墨書されている。